食用油には、動物油と植物油に分かれます。牛、豚、鳥などの動物油は飽和脂肪酸を多く含み常温で固体です。今回は、動物油を中心に説明します。
ラード(豚脂)
豚の脂肪組織から精製した食用油脂のことです。他の動物油と同じで常温で固形となり白色の半流動体(クリーム状)のものとなり融点は27〜40度です。植物油に比べて酸化されにくいので、トンカツ等の揚げ物によく利用されています。料理にコクと風味を出すために使われることが多く、ラーメンのスープには豚の背脂が用いられています。
牛脂(ヘット)
牛の脂肪を精製した食用油脂です。
スーパーなどでは、牛の脂身そのものを牛脂と呼ばれています。
常温で白色(黄色の場合あり)の個体で融点は35〜55度
外見はラードに似ています。
『牛脂(ヘット)を作る方法は2通り』
①細切れした脂肪組織を高圧缶に入れて、加熱蒸気を送って溶出し採取する方法
②挽肉状にして窯でじっくり抽出する方法
比較的低温(摂氏約45度)で作られた牛脂(ヘット)は良質です。
食用としては、精製された牛脂は内臓脂肪を含むものが多く、カレー、ステーキ、カツレツ、すき焼きなどの調理に使われています。
食用以外にも石鹸、ローソク、研磨剤などに利用されます。
成分として、オレイン酸、ステアリン酸、パルミチン酸が主です。
バター
・牛乳を原料とした食用油脂
・乳中の脂肪分を凝固させた常温ではわずかに黄色味を帯びた白色の固体
・常温で20度程度にすると柔らかな状態ですが、冷やすと固くなります。
・30度前後で溶け始めて、40度になると完全に溶けます。
パンに塗ったり、クッキーなどの洋菓子を作る際によく使われます。
上記のように動物性油脂は色々な種類がありますが、植物性油脂と同様に原材料に注意する必要があります。
動物性油脂の場合は原材料となる牛や豚などの餌(飼料)や環境の問題があります。
<肉類の動物性油脂でよく使われているもの>
・遺伝子組換えのトウモロコシなどの飼料ー生産者が安く飼料が手に入るため
・ホルモン剤の使用ー早く育つようにするため
・抗生剤ー過密な畜舎で病気になりやすいため
・土壌汚染
『肉の選び方』
・グラスフェッド(grass.fed)
・開放平飼い
・自然飼料
・遺伝子組み換え飼料不使用
ジビエ(鹿、猪、馬肉、ラム肉など)では飼料や薬などの心配はありませんが、土壌汚染や放射能には育った土地に気を付ける。
<魚類の動物性油脂でよく使われているもの>
『養殖魚で使われている薬品』
・抗生剤
・抗菌剤
・ホルモン剤
『餌の問題について』
・腐敗した魚、売り物にならない魚のミンチ
・本来その魚が食べていないものがないか?
・合成化学飼料(サーモンをピンク色にするため)
※養殖サーモンは、オメガ3の含有量は天然サーモンより多いもののダイオキシンや農薬などの汚染物質の含有量は10倍
『各サーモンの摂取頻度』
・ノルウェーやチリ産などの養殖サーモンは年6回程度
・天然の鮭(シロサケ)は週1回
・紅鮭や銀鮭は月2回程度
・キングサーモン(マスノスケ)は月1回程度
※養殖の魚は、化学飼料や薬剤に注意、天然の魚は、海洋汚染(公害や放射能など)
『魚の選び方』
・天然のものを選ぶ
・産地に注意して選ぶ(なるべく日本海側など太平洋側以外を選ぶこと)
※放射能などの海洋汚染に気を付ける!
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